カテゴリ:ベルツリーの不動産コラム / 投稿日付:2025/09/06 11:20
はじめに
住宅ローンを組むとき、多くの方が選ぶのが「変動金利型」です。固定金利より低金利で借りられるため人気がありますが、その分将来金利が上がったらどうなるの?」という不安がつきまといます。
この不安をやわらげる仕組みとして、「5年ルール」と「125%ルール」が存在します。
ただし、これらは一見安心に見えるものの、実は「未払い利息」という落とし穴もあるのです。
5年ルールとは?
「5年ルール」とは、変動金利型ローンにおいて 金利が上がっても5年間は毎月の返済額を据え置く という仕組みです。
例
- 借入:3,000万円
- 返済期間:35年
- 当初金利:0.5% → 2年目に2.0%へ上昇
- 月返済額:約8万円 → 本来は約10万円に増える計算
しかし「5年ルール」により、5年間は据え置きの8万円のまま返済できます。
家計への影響をすぐに受けない点はメリットですが、増えた利息分は「未払い利息」として繰り越されます。
125%ルールとは?
「125%ルール」とは、5年ごとの返済額見直し時に、返済額の増加は最大で前回の1.25倍までに抑えるという仕組みです。
例
- 月返済額:10万円
- 金利上昇により、本来必要な返済額:15万円
- ルール適用後:12万5千円までに抑制
家計を守る意味では助かりますが、支払えなかった残りの2万5千円分の利息は未払いとして処理され、最終的に返済総額が増えてしまいます。
未払い利息とは?
ここで重要なのが「未払い利息」です。
住宅ローンの返済は「利息」と「元金」に分かれます。
しかし、金利が上がって返済額が据え置かれると、毎月の返済額だけでは利息すら払いきれないことがあります。その不足分が「未払い利息」としてローン残高に上乗せされます。
未払い利息のイメージ
- 毎月の返済額:10万円
- 本来必要な利息:11万円
- 実際の支払い:10万円(5年ルールで据え置き)
→ 1万円が「未払い利息」として残高に追加
結果として、
- 元金がなかなか減らない
- 返済残高が逆に増えてしまうケースもある
という事態につながります。
ルールがない場合との比較
ルールがないと、金利上昇時にはすぐに返済額が増えます。
- メリット:未払い利息が発生しにくく、返済総額が膨らみにくい
- デメリット:急に返済額が上がるため、家計を直撃するリスクが高い
つまり、ルールがある場合は「短期的に安心」、ルールがない場合は「長期的に合理的」とも言えるのです。
注意すべきポイント
- すべての住宅ローンに付帯しているわけではない
ルールが適用されない商品もあるため、契約前に必ず確認しましょう。 - ルールがあるからといって安心ではない
未払い利息が発生し、返済総額が増える可能性があります。 - 期間終了後に返済額が跳ね上がることもある
据え置きの反動で、6年目以降の返済額が大幅に増えるケースも少なくありません。 - 余裕ある返済計画が不可欠
将来の金利上昇を想定し、繰り上げ返済や借り換えも視野に入れて計画を立てることが重要です。
まとめ
「5年ルール」と「125%ルール」は、返済額の急増を和らげる仕組みです。しかしこれはあくまで “返済額を抑えるための一時的な制度” であり、返済総額を減らす仕組みではない という点に注意が必要です。
特に「未払い利息」が発生すると、元金が減らず総返済額が膨らむリスクがあるため、「安心な制度」だと勘違いして契約すると危険です。
住宅ローンを選ぶときは、これらのルールの有無を必ず確認し、期間終了後の負担増も見越して余裕ある返済計画を立てましょう。
さいたま市で住宅購入をご検討の方は、当社が住宅ローンの相談から物件探しまでトータルでサポートいたします。お気軽にご相談ください。
[お問い合わせフォームはこちら]



