カテゴリ:ベルツリーの不動産コラム / 投稿日付:2026/08/09 12:04
【不動産登記の基礎知識】「持分を設定できる権利」と「できない権利」の違いをプロが分かりやすく解説
更新日: 2026年8月9日
不動産の購入や売却、相続などで登記簿謄本を見ていると、「共有持分」や「敷地権」といった言葉に出会います。ここで多くの方が疑問に思われるのが、「どのような権利に『持分(割合)』を設定できて、どのようなものにはできないのか?」という点です。
権利の性質や法律のルールを知ることで、不動産の登記内容がグッと分かりやすくなります。今回は、持分を設定できる権利とできない権利の違いについて詳しく解説します。
1. 持分を設定できる権利(持分化が可能な権利)
複数の人で1つの財産や権利を共同で所有・保有する場合、その「割合(持分)」を明確に設定できる代表的な権利です。
所有権(共有)
不動産を複数人で所有する場合、「Aさんが2分の1、Bさんが2分の1」といったように、所有権に対して明確に持分を設定できます(民法の「共有」状態)。自分の持分だけであれば、他の共有者の同意なしに売却したり、担保(抵当権)を設定したりすることが可能です。
借地権・地上権(準共有)
土地を借りる権利(借地権)や、土地の上空・地下を利用する権利(地上権)を複数人で共同保有する場合も、同じように持分を設定することができます。
2. 持分を設定できない(分けて持てない)権利
法律の性質上、あるいは権利の目的から、「持分(何分のいくつという分割した割合)を観念できない、または設定してはいけない」とされる権利や制限があります。
用益権の一部(地役権など)
例えば「地役権(自分の土地の利便性のために他人の土地を利用する権利)」などは、土地全体に対して設定されるものであり、土地の利用権に「持分」を細切れに設定することは馴染みません。
担保権の目的対象における制限(持分の一部への設定)
不動産全体の共有持分に対して抵当権を設定することはできますが、「自分の持分(例えば3分の1)の、さらにその一部(半分だけ)」というような、持分の一部分だけを切り分けて担保にすることはできません。抵当権を設定するなら、持分の全体を対象にする必要があります。
マンションの「敷地権」そのもの
敷地権における分離の禁止
敷地権は、そもそも「建物(専有部分)の所有権」と「土地の利用権(敷地利用権)」が一つにガッチリとパッケージ化されたものです。そのため、「敷地権という権利そのもの」をさらに細かく分割して、建物と土地の持分をバラバラに設定・処分することはできない(分離処分禁止の原則)という強い制限がかかっています。
おわりに:複雑な権利関係こそ、プロのサポートを
不動産の登記簿に記載されている権利や持分の仕組みは、一見すると難解に思えますが、「持分を分けられるもの」と「一つにまとまっているもの」の基本を押さえることで、その不動産の法的状態を正しく読み解くことができます。
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