カテゴリ:ベルツリーの不動産コラム / 投稿日付:2026/04/04 12:41
認知症の親の家は売れる?
「成年後見」の手続きで売却が1年遅れる理由
親の介護費用を捻出するために実家を売りたい。しかし、親の認知症が進み「意思能力」がないと判断されると、不動産売買は法律上ストップしてしまいます。そこから売却を可能にするための「成年後見制度」が、なぜ長期戦になるのかを徹底解説します。
「親名義の家だから、子供である私が売ればいい」と思われがちですが、不動産売却には所有者本人の「売るという意思」が不可欠です。認知症などでその意思が確認できない場合、司法書士の本人確認が通らず、移転登記ができません。
この状況を打破する唯一の手段が「成年後見制度」の利用ですが、仲介現場で見てきた多くのご家族が、その**「期間の壁」**に驚かれます。
1.売却開始までに立ち塞がる「3つのステップ」
成年後見人を立てて不動産を売るには、通常の売買にはない特殊なプロセスが発生します。
- ステップ1:後見人の選任申立て(数ヶ月)
家庭裁判所に申し立てを行い、審理を経て後見人が決まるまで2〜4ヶ月程度かかります。 - ステップ2:資産目録の作成と調査(数ヶ月)
後見人が就任後、本人の全資産を把握・報告し、売却の必要性を裁判所に説明する準備が必要です。 - ステップ3:居住用不動産処分の許可申請(数ヶ月)
ここが最大の難所です。親が住んでいた家(居住用)を売る場合、裁判所の「許可」を得る必要があり、この審査に時間を要します。
これらを合わせると、「売りたい」と思ってから実際に売買契約を結ぶまでに半年、引き渡しまで含めると1年近くかかるケースが少なくありません。
2.なぜ「1年」もかかってしまうのか?
一番の理由は、家庭裁判所の役割が「不動産の早期売却」ではなく、あくまで**「本人の財産保護」**にあるからです。
- 売却の正当な理由: 「介護費用が足りない」「空き家の維持費が本人を圧迫している」など、客観的な証拠が求められます。
- 専門職後見人の選任: 家族が後見人になれるとは限らず、弁護士や司法書士が選任されると、情報のやり取りにさらに時間がかかる傾向があります。
3.売却が遅れることによる3つのデメリット
手続きに1年を費やしている間に、以下のようなリスクが顕在化します。
- 空き家の放置による劣化: 1年間放置された家は湿気やカビで痛み、資産価値が下落します。
- 介護費用の持ち出し: 家を売ったお金で賄う予定だった老人ホームの費用などを、子供世帯が立て替える負担が続きます。
- 相場の変動: 売り時を逃し、市場環境が冷え込んでしまうリスクがあります。
4.手遅れになる前に。売買仲介の現場から言えること
認知症は突然進むこともあります。「まだ大丈夫」という段階で対策を打っておくことが、将来の資産格差を分けます。
- 任意後見・家族信託の検討: 意思能力がしっかりしているうちに、将来の管理を信頼できる家族に託しておく仕組みです。
- 早期の査定と相談: 今すぐ売らなくても、「今の価値」と「売る際の手続き」を確認しておくだけで、いざという時の動き出しが劇的に変わります。
まとめ|「時間」を味方につけるための早期相談を
親御様の認知症後の売却は、法律と不動産実務が複雑に絡み合い、ご家族だけで解決するには非常にハードルが高い問題です。
- 成年後見制度を使うと、売却まで「年単位」の時間がかかる覚悟が必要。
- 家庭裁判所の許可が必要なため、一般的なスピード売却は困難。
- 意思能力があるうちの対策(家族信託など)が、最も賢い選択肢。
私たちは売買仲介のプロとして、現在の状況をヒアリングし、スムーズな売却に向けた最適なスケジュールや提携専門家のご紹介をトータルでサポートいたします。
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